犬の副腎皮質機能低下症(アジソン病、副腎疲労症候群、副腎皮質ステロイドホルモンの減少)



犬の元気や活力がなくなり、ふらついたり、よろけたりする事が多くなっていたり、食欲の低下や体重の減少なども見られる場合には、犬が副腎皮質機能低下症(アジソン病)を発症している可能性があります。

犬の副腎皮質機能低下症とは

副腎皮質機能低下症は、腎臓に隣接している副腎皮質という組織で、合成、分泌されている副腎皮質ホルモンの血中濃度が低下する事によって引き起こされる、ホルモン分泌疾患(内分泌疾患)です。

逆に、副腎皮質が過剰に働くようになり、副腎皮質ホルモンの血中濃度が高すぎる状態になってしまう病気は、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)と呼ばれています。

犬の副腎皮質機能低下症の原因

副腎皮質ホルモンは、アレルギー反応などの炎症を抑制したり、タンパク質や脂質の分解、代謝の促進(エネルギーの生成)、ストレスへの耐性を高める働きなどがある事が知られています。

副腎皮質は、強いストレスが加わると、心拍数や呼吸数の上昇に伴い、体が必要とするタンパク質(アミノ酸)に加え、脳が必要とするタンパク質も確保しようとして、副腎皮質ホルモンを分泌量を増やす事で、タンパク質の分解と代謝を活発に行うようになります。

そのため、長期的に強いストレスが続いている場合には、副腎疲労を起こしてしまい、副腎皮質の機能が低下したり、副腎皮質ホルモンの分泌量が減少する場合があります。

また、食べ過ぎによるタンパク質や脂質の過剰摂取も、副腎皮質でホルモンの合成や分泌を行う働きが活発に促されるようになるため、副腎皮質が酷使され、副腎皮質ホルモンの分泌量が減少する場合があります。

そのようにして、副腎皮質ホルモンの分泌量が減少してくると、体内の抗炎症作用が低下してくるため、アレルギーなどの炎症反応が生じやすくなったり、症状がひどくなって悪化しやすくなります。

副腎皮質の障害は、そのようなストレスの他にも、自己免疫疾患によって引き起こされる場合もあります。

自己免疫疾患は、本来は、体内に進入した細菌やウイルスなどの有害な異物(非自己)を排除しようとして働く免疫機能が、自己の細胞や組織を誤って異物と認識して、攻撃を行ってしまう免疫系の病気です。

そのような自己免疫疾患によって副腎皮質に損傷が起こると、副腎皮質の機能が低下してしまい、副腎皮質ホルモンを正常に分泌できなくなってしまう場合があります。

副腎皮質ホルモンと同様の働きを持つ、ステロイド剤などの合成薬は、腫瘍や皮膚病などの様々な病気の治療薬として用いられていますが、その投薬を中止したり、減薬を行う事によって、体内の副腎皮質ホルモン濃度が低下して、副腎皮質機能低下症を発症する場合もあります。

ステロイド剤などの合成薬を短期間だけ使用していた場合には、休薬後、少しずつ副腎皮質の機能が回復してくる場合もありますが、長期に渡ってそのような合成薬を使用していた場合には、副腎皮質の萎縮や機能低下により、休薬後は、さらにアレルギーなどの炎症反応がひどくなる傾向にあります。

犬の副腎皮質機能低下症の症状

副腎皮質ホルモンの分泌量が減少してくると、タンパク質の分解や代謝によってエネルギーを作り出す働きが低下してくるため、元気が無くなってきたり、疲れやすくなるため、散歩に行きたがらなくなったり、活発に遊ぼうともしなくなり、寝てばかりいる事が多くなります。

そして、血糖値が低くなったり、筋力が低下するために、歩く度にふらつくようになったり、痙攣を起こしたり、倒れてしまう事が多くなります。

食欲不振、下痢や嘔吐、体重の減少、多飲多尿(飲水量と排尿量の増加)、免疫力や思考力の低下なども見られる場合があります。

重症化すると、心不全を起こしたり、ショック状態に陥る場合もあり、命を落とす危険性が伴う場合もあります。

犬の副腎皮質機能低下症の治療

副腎皮質機能低下症の治療は、主に副腎皮質ホルモンの合成薬を投与する事による、ホルモン補充療法が行われます。

犬が食事や飲水ができない場合には、入院が必要になります。

急性のストレスなどから発症した場合には、症状の回復後、減薬や休薬を行う事で、副腎皮質ホルモンの血中濃度が正常値に戻れば、その後の投薬は不要になりますが、副腎皮質ホルモンを分泌する働きが低下したまま、副腎皮質ホルモンの血中濃度が正常値に戻らない場合には、生涯に渡ってホルモン補充療法が必要になります。

そのため、犬の副腎皮質機能低下症は、重篤な状態に陥る前の早期の治療が重要と言われています。

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