精神的なストレスによって引き起こされる、犬の舐性皮膚炎(しせいひふえん)



犬が体をしきりに引っ掻いたり、何度も同じ所を舐め続ける場合には、心身症による皮膚炎を発症している場合があります。

犬の心身症とは

心身症は、神経症やノイローゼなどの心の病気として捉えられる場合もありますが、厳密には、精神的なストレスが脳に作用する事によって、実際に体内の臓器、血管、神経、免疫系などに異常が生じるようになった状態の事です。

飼い主と離れて留守番をした経験がほとんど無かったり、常に飼い主と寄り添って生活している犬は、ほんのわずかな間でも、飼い主の姿が見えなくなると強い恐怖心や不安感が芽生えるようになり、物を散らかしたり、破壊したり、トイレ以外の場所で粗相をするなど、問題行動を起こすようになる事が多くなる場合があります。

このような行為や行動は、転位行動と呼ばれています。

また、尻尾を追い掛け回して噛み付いたり、口の届く範囲の被毛を噛みちぎったり、皮膚がじゅくじゅくした状態になるまで、何度も舐め続けるなど、自傷行為を行うようになる場合もあります。

このような状態は、分離不安症と呼ばれいたり、強迫神経症と呼ばれており、そのような心理状態で行う反復行動は、常同行動と呼ばれています。

常同行動によって何度も同じ所を舐め続ける事によって起こる皮膚炎は、舐性皮膚炎(しせいひふえん)と呼ばれており、特に飼い主への依存度が高く、寂しがり屋の犬に見られやすい皮膚疾患です。

犬の分離不安症とは

分離不安症は、分離不安障害とも言われており、人間の場合は赤ちゃんなどの精神が未成熟な場合にのみ見られるもので、親が赤ちゃんのそばを離れるだけで、強い不安感にさいなまれてしまい、赤ちゃんが泣き出すようになったり、パニックを起こしてしまう反応の事です。

最近では、犬が成犬になった後にも、頻繁に声をかけて飼い主の傍に呼ぶようにしていたり、過剰なスキンシップを繰り返していたり、夜は毎晩添い寝するなどして、片時も飼い主の傍から離れずにいるケースも多くなっているために、このような分離不安症を引き起こす犬が急増していると言われています。

そして、近隣住民にも迷惑をかけてしまう程に、無駄吠えが多くなっていたり、遠吠えを繰り返してしまう場合もあると言われています。

犬の強迫神経症とは

強迫神経症は、自分の意に反して不安感や不快感が沸き起こってくる精神の異常で、そのような強迫観念を打ち消そうとして、何度も無意味な行動を繰り返してしまう神経症の一種と言われています。

人間の場合には、手の汚れや雑菌が気になって仕方がなくなり、何度も繰り返し手を洗い続けてしまったり、外出時に玄関を施錠したかどうかが気になり、何度も開け閉めを繰り返しながらも、不安で外出する事ができないといった症状があると言われています。

犬の場合には、自分の体の特定の箇所を何度も噛んだり、舐め続ける事を繰り返したり、同じ場所を何度も行き来して往復したり、おもちゃを何度も同じように放り投げるといった行為や行動が見られるようになります。

このような行為や行動は、常同行動または常同障害と呼ばれています。

犬の舐性皮膚炎とは

舐性皮膚炎は、犬が自分の体の特定の箇所を何度も舐め続ける事によって、やがて皮膚が傷付いてしまい、皮膚がただれたようになったり、じゅくじゅくした状態になる皮膚炎の一種です。

傷付いた皮膚に細菌や真菌などの二次感染が起こる事で、強い痒みは腫れが生じるようになる場合があります。

犬は、強い不安感や緊張感が生じると、そのような気持ちを抑えようとして、何度もあくびを繰り返したり、自分の足を何度も舐めるようになる場合があります。

時には、尻尾を追いかけてグルグル回るなど、常同行動を起こようになる場合があります。

舐性皮膚炎は、このような精神的な問題によって引き起こされる病変ですので、直接の原因である精神不安を改善しない限り、何度も発症を繰り返してしまう事が多い傾向にあります。

犬の転位行動とは

動物が何らかの物事に対して、強い緊張感や恐怖感を感じた際に、全く異なる行動を行う事によって、その精神的なストレスを発散させようとする行動の事です。

犬が飼い主に怒られた際に、急に穴を掘る仕草を見せたり、尻尾を追いかけてグルグル回りだしたり、体を舐めまわして毛づくろいをするなど、突如として今までとは異なる行動を行うといったケースがあります。

犬がこのような行動を行った際には、強いストレスを感じているという事がその行動や仕草などから判断する事ができます。

これには、物を散らかしたり、破壊したりといった、八つ当たりのような問題行動を行う場合もあり、それが動物に及ぶ行動は、転嫁行動と呼ばれています。

このような転嫁行動は、犬同士の喧嘩の最中に、急に第三者である飼い主が攻撃を受けるといったケースがあります。

犬の心身症の改善方法

舐性皮膚炎をはじめとする様々な心身症は、犬が抱えている精神的な問題を改善しない限り、犬が自らの体を傷付けるなどの自傷行為を行ってしまうため、時間をかけて飼い主との関係性や生活習慣を見直していく必要があります。

舐性皮膚炎によって、何度も同じ箇所を舐め続けている場合には、エリザベスカラーを着けるようにして、皮膚の保護に努めながらも、愛犬に関心を寄せすぎないようにして、過剰な声かけやスキンシップを控え、適切な距離を取っていく事が大切になります。

そして、ドッグランや公園で走り回ったり、ボール遊びをするなどして十分な運動量を与えるようにして、単に飼い主との関係性だけに依存しないようにして、ストレス上手に発散できるように仕向けていくようにしながら、やがては飼い主がいなくても、強いストレスを感じさせないようにしていく事が大切です。

このような処置は、じっくりと時間をかけながら、ストレス耐性をつけていく事が重要です。

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