犬の慢性的な皮膚病、難治性の皮膚病を誘発する、誤った治療方法



犬の皮膚病は、いくつもの原因が複合的に関与して引き起こされている場合も多く、見た目だけの様子で判断するなどして、安易な治療や処置を行う事で、ますます病状がひどくなってしまう場合があります。

犬の皮膚病のうち、他の病状に似た症状が現れる皮膚病の一つに、疥癬(かいせん)という寄生虫感染症があります。

これは、体長0.3~0.5mm程の大きさの疥癬虫(皮癬ダニ、ヒゼンダニ)が、犬の皮膚に感染した後、角質層に疥癬トンネルと呼ばれる横穴を掘りながらうごめいたり、皮脂や角質層を食べるなどして生息しながら、角質層の中で産卵し、増殖を続ける寄生虫感染症です。

疥癬にかかると、疥癬虫が角質層に疥癬トンネルをいくつも作るため、皮膚から剥離した角質層がフケのようにたくさん出るようになります。

そして、皮膚が乾燥したように見え、皮下の疥癬虫がうごめくために、慢性的に激しい痒みが生じるようになります。

疥癬は、何らかの皮膚病の影響で皮膚が弱くなっていたり、糖尿病や肝臓病などの慢性疾患の影響で免疫力が低下していると、疥癬虫が皮下で爆発的に増殖しやすくなるため、症状がひどくなる事が多いですが、免疫力が正常で皮膚も健康的な成犬の場合も、疥癬虫がゆるやかに増殖を続けていくため、徐々に症状がひどくなっていきます。

そのような皮膚の乾燥や痒みは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎に似ているため、ステロイド剤(免疫抑制剤)を使用すると、皮膚の抵抗力が著しく低下して、疥癬の症状が急激にひどくなってしまう危険性が高くなりますので、薬剤を使用した治療には、十分注意が必要です。

また、アトピー性皮膚炎は、皮脂の分泌量が少なく皮膚が乾燥しやすい体質であったり、外部のアレルギー物質に対して過敏に反応が起こりやすい体質によって引き起こされる皮膚病ですが、一見しただけでは、皮膚がカサカサしていたり、ザラザラしており、かさぶたや脱毛などの症状がある事から、真菌(カビ)による感染症のように見える場合があります。

犬の真菌性皮膚炎には、皮脂が過剰に多くベタベタしている場合と、フケが多く乾燥している場合がありますが、皮膚が乾燥している場合には、真菌によってダメージを受けた角質層が大量に皮膚から剥離している状態で、そのフケにも真菌が数多く存在していると言われています。

そのため、ベッドやマットの上に落ちたフケが、他の部位にも付着する事で再感染が起こり、他の部位にも同じような症状が現れるなどして、患部が広がってしまう場合があります。

このような真菌性皮膚炎に、アトピー性皮膚炎の治療薬であるステロイド剤(免疫抑制剤)を使用すると、皮膚の抵抗力がさらに低下してしまい、真菌性皮膚炎の症状が急激にひどくなってしまう場合がありますので、治療薬を使用する際には、その症状の原因を事前にきちんと判別しておく事が必要不可欠となります。

時には、アレルギーやアトピーなどの体質で、皮膚が弱くなっている所に、細菌や真菌、寄生虫が感染し、皮膚の炎症や痒みがひどくなっている場合もあります。

犬の皮膚病の原因が単一では無い場合も多く、また、掻き傷や噛み傷がひどい場合もあり、シャンプーによる洗浄は、かえって皮膚を傷めてしまう原因になったり、皮膚の乾燥をひどくしてしまう場合があります。

皮膚のダメージがあまりにもひどい場合には、シャンプーは禁止して、皮膚の保護を第一に注意しながら、飲み薬を中心に治療が行われる場合もあります。

また、食物アレルギーの可能性を排除するために、薬物治療を行う前に、まずは食事の変更を行い、その経過を見てから治療方針を決定する場合もあります。

時には、犬の皮膚病の原因が複合的に存在している場合であっても、食事の変更を行うだけで、皮膚の腫れや炎症が治まり、新陳代謝も正常化して、大きく改善につながる場合もあります。

そして、皮膚の痒みが大きく改善される事で、犬のストレスも緩和する事ができ、心身の健康増進にも大きくプラスに働くといった場合もあります。

最近では、薬物治療による副作用や内蔵への負担を考慮して、なるべく負担やリスクの少ない、毎日の食事の見直しや、生活環境の改善を第一に訴える獣医師も増えているようです。

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