犬の食物アレルギーのメカニズムと対処方法について



犬の食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、特定の食材を摂取した際に、その食材に含まれているタンパク質が消化吸収される過程で、体内の免疫細胞がそれを異種タンパク質(非自己のタンパク質)として認識してしまい、体内から排除しようとして強い免疫反応が生じるようになる病態です。

そのような激しい免疫反応が生じると、皮膚や消化管、呼吸器などに腫れや炎症などの病変が引き起こされるため、健康な組織にもダメージが生じるようになります。

タンパク質が消化吸収される過程では、体内の消化酵素によって徐々に分解が進み小さくなっていきますが、タンパク質分解酵素の量には個体差があり、酵素が少なく分解しにくい体質であったり、また、分解されにくい食材である場合には、アミノ酸レベルにまできちんと分解されず、アミノ酸分子がいくつも結合したタンパク質のままの状態で吸収される事があり、その結果、アレルギーが引き起こされる場合があります。

犬の食物アレルギーの原因

免疫細胞には、免疫寛容という働きがあり、全ての異種タンパク質に対して免疫反応が起こる訳ではありませんが、免疫寛容にも個体差があり、抗原とそれを受け入れる生体側での関係性において、正常な働きを失うと、アレルギーが起こりやすくなったり、自らの細胞をも排除しようと働いてしまう自己免疫疾患が引き起こされる場合があります。

このような体質(アレルギー体質)は、母犬が妊娠中に食べる食材や栄養素も、胎盤を通じて子犬に影響を与える事が知られており、幼少期に清潔すぎる環境で育ったために、免疫機能が脆弱であったり、成犬になってからの不衛生な生活環境の影響で、数多くのアレルゲンを取り込んでいるために、免疫機能が過敏に反応しやすくなったり、強く反応しやすくなると考えられています。

また、遺伝、加齢、ストレス、基礎疾患、ホルモンバランスや自律神経の乱れなども関与して起こると言われています。

犬の食物アレルギーの改善

アレルギーは、一度発症すると、免疫記憶という働きによって、再び体内に侵入してきた抗原に対しては、より素早く、そして強力に、その抗原を排除しようとする免疫反応が起こるため、その多くは生涯にわたって付き合っていく必要があります。

しかし、成長とともに体質が改善されていったり、アレルギー除去食を継続して摂取する事によって、脱感作(免疫過敏性の除去)が起こり、問題なく食べられるようになるケースもあります。

犬の食物アレルギーの症状

犬の皮膚病のうち、約30%はアレルギーが原因と言われていますが、犬が食物アレルギーを発症すると、皮膚に赤みや湿疹などの異常が現れる事がよく見られます。

また、犬が痒がって掻きむしっているうちに、脱毛が起こったり、傷やかさぶたが生じる場合もあります。

食物アレルギーによる皮膚炎は、目の周り、口元、耳などの頭部、脇や股下、お腹、指の間(肉球)など、様々な箇所に見られ、全身に広く及ぶ場合もあります。

アトピー性皮膚炎も、アレルギーの一種と言われており、食物アレルギーとの混合型のアトピー性皮膚炎も存在しており、食物アレルギーの影響で症状がひどくなったり、病態が誘発される場合もある事が知られています。

そして、細菌や真菌などの病原菌によって、これらの皮膚の腫れや痒みなどの症状がますますひどくなったり、なかなか治りにくくなる場合もあります。

アレルギー性皮膚炎は、皮膚病の中でも、特に痒みがひどく、昼夜にわたって辛い痒みが持続するため、夜中もぐっすりと眠れなくなり、元気が無くなったり、食欲が低下したり、イライラして怒りっぽくなる場合があります。

また、皮膚の病変の他にも、胃腸の炎症によって、排便の回数が多くなったり、下痢や嘔吐を頻繁に起こすようになる事もあります。

時には、全身性のアナフィラキシー・ショック(急性アナフィラキシー)を引き起こす場合もあり、血圧低下、呼吸困難、痙攣、意識障害、昏睡などから、命を落とす場合もあります。

このような病変は、食べた直後から見られる場合もあれば、2~3日後に見られる場合もあり、犬が喜んで食べている好物の食材であっても、それが食物アレルギーであるケースも見られます。

犬の食物アレルギーの治療

犬の食物アレルギーは、血液検査を行う事で、愛犬がどの食材に対してアレルギーを起こすのか、また、それがどれほど問題のレベルか、といった事を、数値として具体的に見る事ができます。

そして、問題のある食材が含まれないように、手作り食を与えるようにしたり、ドッグフードをアレルギー用の除去食に切り替えて、その後の経過を見る事で、改善が見られる場合があります。

手作り食を与える場合には、犬が食べてはいけない食材が一切含まれないように、十分注意する必要があります。

また、ドッグフードに含まれているタンパク質の大きさ(アミノ酸の結合)を加水分解によって予め小さくしている、アレルギー対策フードに切り替える事で、症状が治まる場合もあります。

このような食事療法は、1~2ヶ月の程は継続して様子を見る必要があり、家族全員の協力の下、人間の食べ物はもちろん、他のおやつなども一切あたえないように注意しながら、経過を見守る必要があります。

療養中の皮膚の痒みは、細菌や真菌などの病原菌、ノミやダニなどの寄生虫、花粉やハウスダストといった大気中のアレルゲンの影響で、さらにひどくなったり、噛み傷や掻き傷による皮膚傷害から、皮膚炎が悪化して治りにくくなる場合もありますので、衛生的な環境で、愛犬の皮膚や被毛を清潔に保つ事も大切になります。

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