猫の血尿(原因、対策、予防について)



猫の血尿の原因には、結石症(膀胱結石、尿道結石)、膀胱炎、腎臓疾患(糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎)、溶血などが挙げられます。

犬に多い、前立腺疾患や腫瘍は、猫にはあまり見られない傾向にあります。

猫の結石

結石は、尿の中に含まれている、尿素、塩素、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リン酸、カルシウム、マグネシウムなどの成分が結晶化したものです。

オスはメスに比べると尿道が長く、カーブしている部分があり、先端も細くなっているため、尿道に結石が詰まりやすく、重症化しやすいと言われています。

ストラバイト(ストルバイト)結石

ストラバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)は、尿がアルカリ性に傾く事で発生しやすくなる結石です。

尿中のリン酸、アンモニウム、マグネシウムの濃度が高くなる事や、水分の摂取量が減少する事も原因とされています。

ストラバイト結石は、とても粘度が高いため、大きくなった結石が尿道に詰まると、密着したまま尿道を塞いでしまうため、排尿が全くできなくなってしまう尿道閉塞を発症したり、尿の逆流を招いて腎臓の障害を引き起こしたり、尿毒症を招く場合もあり、命にも関わる危険性を持つようになります。

1~6才の肥満気味の猫がかかりやすい傾向にあります。

シュウ酸カルシウム結石

シュウ酸カルシウム結石は、尿が酸性に傾く事で発生しやすくなる結石です。

尿中のシュウ酸、カルシウム、ナトリウムの濃度が高くなる事や、水分の摂取量が減少する事も原因とされています。

また、ビタミンB6の欠乏によって尿中カルシウム濃度が上昇する事も原因の一つとされています。

ストラバイト結石は療法食で溶解しますが、シュウ酸カルシウム結石は、一度できると溶解しないため、手術で取り除く必要性が生じるようになります。

ストラバイト結石が膀胱に発生しやすいのに対して、シュウ酸カルシウム結石は、膀胱の他にも、腎臓、尿管、尿道にも発生しやすい違いがあります。

7才を超えた高齢の猫がかかりやすい傾向にあります。

ビタミンDとシュウ酸カルシウム結石

猫は人間と同じように、日光浴を行う事で、皮膚から紫外線を吸収して、体内でビタミンDを合成する事ができますが、猫の皮膚の中にあるビタミンDの合成に必要な「7-デヒドロコレステロール」という物質は、ごく少量しか存在しないと言われており、ビタミンDの多くは食事によって摂取する必要があります。

また、加齢とともに腎臓機能が低下してくると、体内でビタミンDを合成する働きも低下してくるため、カルシウムの吸収力が低下してくるようになります。

ビタミンDの不足によってカルシウムの吸収力が低下すると、血液中のカルシウム濃度も低下するため、それを補おうとして、歯や骨に含まれるカルシウムの分解が促進されるようになり、歯や骨がもろくなる原因になります。

そして、歯や骨のカルシウムの分解が進むと、血液中のカルシウムが組織や血管に沈着しやすくなり、尿中からも多く排出されるようになり、シュウ酸カルシウム結石が発生しやすくなります。

逆に、ビタミンDが多く含まれている食事を過剰に取り過ぎている場合には、カルシウムの吸収が過度に行われ、高カルシウム血症を引き起こしたり、カルシウムが組織や血管に沈着しやすくなると言われています。

そのような事から、ビタミンDは多すぎても少なすぎても問題があると言われています。

日光浴によって合成されるビタミンDは、猫においては微量であるため、体の保温や皮膚や被毛の殺菌などのメリットがある事から、積極的にさせた方が良いと言われています。

猫の膀胱炎

猫の膀胱炎には、細菌性膀胱炎と突発性膀胱炎の2種類に大別されています。

細菌性膀胱炎

細菌性膀胱炎は、尿道口から進入した細菌が、尿管を伝って逆行し、膀胱に炎症を引き起こした膀胱炎です。

メスはオスに比べて尿道が短いため、発症しやすい傾向にあると言われています。

突発性膀胱炎

突発性膀胱炎は、結石や尿路感染症が確認できず、原因が特定できていない膀胱炎です。

細菌感染が確認されたものは細菌性膀胱炎と呼ばれますが、原因ができていない膀胱炎は一括して突発性膀胱炎と呼ばれています。

原因がはっきりしていなものの、ウイルスや細菌などの病原体、自己免疫疾患、尿路における上皮の損傷、神経伝達物質の影響(肥満細胞によるヒスタミンの放出)、ストレスなどが関与して起こると考えられています。

猫の下部尿路疾患の60%以上を占めるとも言われており、比較的多く見られる傾向にありますが、尿路閉塞が起きていなければ、1週間程度で改善する病気です。

しかし、治った後に再発する事も多い傾向にあります。

猫の腎臓疾患

腎臓疾患は、腎臓内で炎症が起こっている箇所によって、糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎に区分されています。

糸球体腎炎

糸球体腎炎は、毛細血管の集まりで、血液のろ過を行っている糸球体に炎症が生じる病気です。

細菌感染、ウイルス感染、アレルギー、自己免疫疾患などが原因で起こると言われています。

間質性腎炎

間質性腎炎は、腎臓の尿細管やその周囲の組織(間質)に炎症が生じる病気です。

細菌感染、ウイルス感染、薬物や人間の食べ物による食中毒、自己免疫疾患などが原因で起こると言われています。

腎盂腎炎(腎盂炎)

腎盂腎炎は、腎盂や腎実質に炎症や壊死、変性などが生じる病気です。

細菌感染やウイルス感染などが原因で起こると言われていますが、尿路結石や前立腺肥大症などで尿路閉塞が起こると、尿の流れが停滞するため、腎盂腎炎が生じやすくなると言われています。

猫の溶血性疾患

溶血は、体内で血液中の赤血球が大量に破壊されてしまう現象の事です。

溶血が起こると、体内に取り込んだ酸素や栄養分が運搬されなくなるため、全身の臓器に様々な不調を引き起こすようになります。

原因は、タマネギなどのネギ類の誤食による食中毒、赤血球に寄生するヘモバルトネラ・フェリスの感染によるヘモバルトネラ症(猫伝染性貧血)、猫白血病ウイルスの感染による猫白血病ウイルス感染症などが挙げられます。

溶血によって起こる血尿はヘモグロビン尿と呼ばれる場合もあり、尿中に赤血球は確認できませんが、漏出したヘモグロビンの色素によって尿が赤色(または赤褐色)に染まる特徴があります。

溶血が起こると、貧血を起こしてふらつく事が多くなったり、口の中が白っぽくなったり、何度も吐き気が起こるといった症状も見せるようになります。

猫の泌尿器疾患の症状、対処方法

猫が結石や膀胱炎など、泌尿器に何らかの疾患を抱えている場合には、おしっこをする回数が増えたり、おしっこする時に痛がって鳴いたり、じっと長い間座ったままでいたりなど、トイレの仕方に変化が見られるようになります。

また、トイレを失敗して粗相をする事も多くなります。

猫が室内のあちこちでおしっこを漏らしてしまう事は、悪意を持ってイタズラしようという意図からではなく、我慢できずに仕方が無く行っている事が多いと言われていますので、そのような点も考慮して、早いうちに動物病院で詳しい検査を受ける事が大切になります。

猫のおしっこは、2日以上出なければ尿毒症になり、命を落とす危険性が高まりますので、決して甘く見てはいけません。

また、時には血尿の原因が腫瘍である場合もあります。

尿に血が混じっていなくても、キラキラした結晶が混じっているのを確認した場合には、すぐに猫を動物病院へ連れて行く必要があります。

猫の腎臓は、一度悪くなってしまうと、回復する事が難しく、それによって免疫力の低下や感染症のリスクなども高まってしまうと言われています。

猫は高齢になると、腎臓をはじめ泌尿器の疾患にかかる割合が高くなりますので、常日頃から新鮮で清潔な飲み水を用意してあげたり、毎日トイレを清潔に保ち、トイレを我慢する事なく、いつも速やかに、気持ち良く排泄できる環境を整えておく事も重要です。

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