猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群、猫免疫不全ウイルス感染症、猫エイズウイルス感染症)の原因、症状、検査、治療



猫エイズとは

猫エイズは、猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染する事によって引き起こされるウイルス感染症で、様々な病気の諸症状を持つ重篤な状態へと進展した病態の事です。

猫免疫不全ウイルス(FIV)が猫の体内に進入すると、免疫機能の中枢である白血球のT細胞の内部に入り込み、T細胞のDNAを破壊しながら増殖を繰り返していきます。

そして、急性期、無症状キャリア期、PGL(持続性全身性リンパ節症)期といったステージを経て、免疫力の低下とともに様々な合併症が発生するようになり、重篤な病態へと進展していきます。

そのような末期の重篤な病態を、エイズ発症期(エイズ関連症候群)と呼ばれています。

猫エイズを発症すると、免疫力がひどく低下した状態になり、免疫機能の不全状態に陥る事から、猫後天性免疫不全症候群とも呼ばれています。

無症状キャリア期が長い場合には、10年近くにも及ぶ事があり、猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染してからエイズを発症しないまま、生涯を終えるケースもあります。

猫免疫不全ウイルス(FIV)は、人間が感染するヒト免疫不全ウイルス(HIV)の性質とも似ていますが、遺伝子レベルでは異なっており、人間をはじめ、猫科以外の動物にうつる事はありません。

猫エイズの原因

猫エイズの感染は、猫同士の喧嘩や交尾によって、感染猫の持つ体液が接触する事によって起こります。

猫免疫不全ウイルス(FIV)は、感染猫の血液、唾液、乳汁、精液などの体液に含まれていますが、感染力がとても弱く、猫同士のグルーミング(舐め合い)、交尾、出産、授乳などから感染する事はほとんどないと言われています。

感染に至る猫のほとんどは、猫同士の喧嘩と言われており、咬み傷に猫免疫不全ウイルス(FIV)を含んだ唾液が入り込む事によって体内に猫免疫不全ウイルス(FIV)が進入し、感染に至ると言われています。

他に、子宮内感染や経乳汁感染が起こる事はほとんどありませんが、稀に、交尾の際に、オス猫がメス猫の首元を咬む事によって、感染が起こる場合があると言われています。

猫エイズの症状

猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染すると、急性期、無症状キャリア期、PGL(持続性全身性リンパ節症)期といったステージを経て、エイズ発症期(エイズ関連症候群)を迎えるようになります。

急性期

猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染すると、最初に急性期と呼ばれる症状が現れるようになります。

主な症状は、嘔吐、発熱、リンパ節の腫れなどが見られ、くしゃみや鼻水などの猫風邪のような症状を見せる場合もあります。

中には、全く症状を見せないケースもあります。

このような症状は、1ヶ月~1年ほど続きます。

無症状キャリア期

猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染し、急性期を過ぎると、猫免疫不全ウイルス(FIV)の増殖と体内の免疫力との均衡が保たれた状態になり、急性期の症状が治まり、あたかも病気が治ったかのようになります。

しかし、体内のリンパ球の一種であるT細胞に潜んだ猫免疫不全ウイルス(FIV)は、密やかに増殖を続けながら、T細胞の破壊を続けていきます。

そして、体内のT細胞の数を減らしながら、猫の免疫力を少しずつ低下させていきます。

このような状態は、4~5年ほど続き、長い場合には10年以上続く事があります。

PGL(持続性全身性リンパ節症)期

猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染後、無症状キャリア期を過ぎると、全身のリンパ節の肥大(腫脹)が見られるようになります。

猫免疫不全ウイルス(FIV)の増殖と体内の免疫力との均衡が崩れた状態で、猫免疫不全ウイルス(FIV)の増殖が異常に進み、免疫機能による抵抗性を失いはじめた状態です。

このような症状は、2~4ヶ月と短く、外観からの判別は難しいため、見逃される事も多い症状です。

エイズ発症期(エイズ関連症候群)

猫が猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染し、末期の状態にまで至ると、重篤な全身性の免疫不全状態に陥ります。

この時期になると、多くの猫にはひどい口内炎が現れたり、鼻炎が起こり、それがなかなか治らなくなります。

そして、下痢、嘔吐、発熱、貧血、衰弱、体重減少などが見られるようになります。

そのような重篤な状態に陥ると、エイズの発症という判定が行われます。

全身性の免疫不全により、病状の進行とともに、通常であれば感染しない弱毒性の細菌やウイルスにも体が侵されていき、悪性腫瘍も発生しやすくなっていきます。

また、呼吸器疾患、消化器疾患といった様々な病気を引き起こすようになり、数年に渡って少しずつ衰弱しながら、死亡に至る事になります。

猫エイズの検査、治療

猫エイズの検査は、猫免疫不全ウイルス(FIV)が白血球のT細胞に潜伏する性質がある事から、採血を行う事で簡単に感染の有無を調べる事ができます。

猫エイズの治療は、猫免疫不全ウイルス(FIV)に対する特効薬がないために、現れた症状に対する対症療法が中心になります。

口内炎がひどく、ご飯を食べられない場合には、流動食などを与えて、栄養補給を行う事で体力がつき、貧血が改善する場合があります。

貧血がひどい場合には、輸血が行われる事もあります。

細菌や真菌による感染症に対しては、抗生物質や抗真菌薬の投与が行われます。

免疫力の維持を図るために、インターフェロン製剤の投与が行われる場合もあります。

療養中は、猫にストレスを与えないようにしたり、体の保温や栄養補給にも配慮して、体力や免疫力の低下を防ぐ事が大切になります。

猫エイズの予防

猫エイズを予防するには、猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染機会を作らないように、完全な室内飼育を徹底する事が大切になります。

多頭飼育を行う場合には、新しい猫を受け入れる前に、猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染の有無を検査するようにして、他の猫へと感染を広げないように努める事が大切です。

また、既に感染が確認できている場合においても、他の猫への感染源となり、猫エイズを広げてしまう可能性がありますので、猫エイズを撲滅するためにも、猫を外出させないように努める必要があります。

光の力で驚きの効果を生み出す光触媒テクノロジー、安心安全な抗菌・除菌・消臭ミスト