猫の皮膚ガン(乳腺腫瘍、肥満細胞腫、扁平上皮癌、メラノーマ)



皮膚ガンとは

皮膚ガンとは、皮膚に悪性腫瘍と呼ばれるガン細胞の塊が生じたものです。

正常な細胞は、周囲の細胞の状態に応じて、増殖を行ったり、増殖を止めたりするなど、細胞の増殖がコントロールされています。

例えば、皮膚に傷が生じた際には、傷口を塞ごうとして活発に細胞の増殖が起こりますが、傷口が治って塞がると、自然に細胞の増殖が停止するようになっています。

しかし、ガン細胞は、このような細胞の増殖をコントロールする機能を失い、無秩序に、無目的に、周囲の組織にも湿潤しながら拡大する事もある、異常な細胞(悪性細胞)の事です。

ガン細胞の発生メカニズム

ガン細胞は、正常な細胞の遺伝子(DNA)にわずか2~10個程度の傷がつく事によって発生すると言われています。

そのような細胞の遺伝子の傷は、長い時間をかけて徐々に発生する事が知られています。

遺伝子が傷ついた細胞は、車のアクセルが踏まれたままの状態のように、細胞の増殖を行う働きが活性化したままになったり、また、車のブレーキが故障したままの状態のように、細胞の増殖を止める働きが不活性化したままになる場合がある事も知られています。

このように車のアクセルが踏まれたまま、暴走するようになってしまった突然変異の遺伝子は、ガン遺伝子と呼ばれており、車のブレーキにあたる細胞内の遺伝子は、ガン抑制遺伝子と呼ばれています。

猫の皮膚ガンの原因

ガン細胞は、正常な細胞内の遺伝子が損傷したために、細胞の分裂が無秩序に繰り返されるようになった異常な細胞の事ですが、その原因は、細菌、ウイルス、紫外線、放射線、活性酸素、ホルモン、化学物質、ワクチン、遺伝など、様々な事が挙げられると言われています。

そのような要因(発がん要因)によって細胞内の遺伝子が損傷し、遺伝子の突然変異が起こると、その細胞が分裂した際にも、異常な遺伝子も一緒に伝達されてしまうため、ガン細胞の増殖が進むとともに、ガン細胞の塊である悪性腫瘍が形成され、周囲の組織への湿潤や転移を起こす可能性を持つようになります。

また、体が健康的で、免疫細胞が活発に機能している場合には、体内で発生するガン細胞をくまなく攻撃し、排除してくれますが、加齢、病気、ストレスなどの影響によって、免疫細胞の働きが低下してくると、免疫細胞の巡回の影に隠れて、ガン細胞が増殖を行うようになるため、悪性腫瘍を形成しやすくなっていきます。

猫の皮膚ガンの種類

猫の皮膚ガンには、乳腺腫瘍、肥満細胞腫、扁平上皮癌、メラノーマ(悪性黒色腫)など、様々な種類があります。

1.乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、腹部にある乳腺の腺組織が腫瘍化したものです。

猫の乳腺腫瘍は、転移の恐れの無い良性の場合もありますが、悪性であるケースがほとんどで、進行も早く、肺への転移リスクも高いと言われています。

高齢のメスの猫が発症する事が多いと言われています。

1つの乳頭(乳首)だけに現れる場合や、複数の乳頭に多発して現れる場合もあります。

性ホルモン剤の投与によって発症率が高まる事や、避妊手術を受けていない猫は、避妊済みの猫に比べると約7倍も発症率が高い事から、性ホルモンの影響が強いと考えられています。

2.肥満細胞腫

肥満細胞腫は、体内で免疫反応が生じた際に、ヒスタミンやセロトニンなどの炎症物質を放出する肥満細胞が腫瘍化したものです。

肥満細胞という名称は、免疫反応が生じた際に、細胞の形が膨張したように膨らむため、それが肥満体型を連想させる事から、そのような名前で呼ばれています。

そのため、食べ過ぎによる肥満や体脂肪とは全く関係がありません。

肥満細胞は、皮膚、粘膜、血管など、体中のいたるところに存在しており、肥満細胞腫は、猫の腫瘍の中では比較的多く見られる傾向にあると言われています。

良性と悪性があり、体表に現れる肥満細胞腫(皮膚型肥満細胞腫)のほとんどは良性である場合が多く、転移の心配はありませんが、悪性に変わる事は有り得ると言われています。

肝臓や脾臓、消化管などに現れる肥満細胞腫(内蔵型肥満細胞腫)は、悪性度が高い傾向にあると言われています。

3.扁平上皮癌

扁平上皮癌は、口腔、舌、咽頭、食道、気管、気管支といった体内への入り口から、口から肛門までの臓器のつながりの管にあたる部分の表面を覆っている、上皮細胞(扁平上皮細胞、扁平上皮組織)がガン化したものです。

転移が起こりにくく、局所侵襲性の高い腫瘍と言われていますが、リンパ節への転移リスクも有り得ると言われています。

紫外線や放射線を長時間浴び続ける事、空気中のタバコの煙や殺虫剤などの発ガン物質を吸引する事、慢性的な炎症などから、誘発される場合があると言われています。

中でも白猫は、紫外線や放射線などの有害な電磁波から皮膚を守るメラニン色素が少ないため、扁平上皮癌や肥満細胞腫などの皮膚ガンを発症しやすいと言われています。

4.メラノーマ(悪性黒色腫)

メラノーマ(悪性黒色腫)は、上皮細胞よりも下層にあるメラニン細胞(メラノサイト)がガン化したものです。

メラニン細胞が他の場所に比べて密集している場所をホクロと言いますが、メラノーマ(悪性メラノーマ)はそのホクロがガン化したものですので、周囲の皮膚の色に比べて黒っぽい色になってくるという特徴があります。

進行のスピードがとても早く、また、転移リスクも高いと言われています。

扁平上皮癌やメラノーマは、口の中にできる場合もあり、初期のうちに発見できず、かなり大きくなってから発見される事も多いと言われています。

また、口の中のガン細胞は、肺へと吸い込んでしまう事により、肺への転移リスクが高くなると言われています。

猫のガンの治療方法

1.手術療法

手術療法は、外科手術によって腫瘍の摘出を行う治療方法です。

腫瘍が大きく、局所的に存在している時には効果的な治療方法とされています。

しかし、全身麻酔や体にメスを入れる事など、手術の負担によって死亡してしまう危険性もあると言われています。

2.化学療法(抗ガン剤療法)

化学療法は、抗ガン剤を投与する事により、ガン細胞を根絶できる事は稀ですが、全身のガン細胞の増殖を抑制する治療方法です。

手術療法(外科手術)では取りきれない、白血病やリンパ腫などの全身性の腫瘍や、リンパ節や肺に転移してしまっている腫瘍などに用いられる治療方法です。

それによって、生活の質(QOL)を維持する効果が期待できると言われています。

しかし、骨髄抑制(赤血球や白血球、血小板の減少)や、脱毛などの副作用が生じたり、投与を続けるうちに治療効果が低下してくるというデメリットもあります。

3.放射線療法

放射線療法は、腫瘍のある箇所に、細胞の殺傷効果の高い放射線を照射する事で、ガン細胞を破壊して、腫瘍をゆっくりと時間をかけて小さくする治療方法です。

レントゲン検査においては、細胞の殺傷効果を弱めたX線と呼ばれる放射線が照射されますが、放射線療法においては、そのX線のエネルギーをより強くした放射線が照射され、その細胞の殺傷作用によって、ガン細胞の遺伝子(DNA)を破壊して、増殖を行えなくするものです。

化学療法に比べて治療効果が高く、手術をするのが難しい脳や心臓、肺などにも対応できるというメリットがあります。

しかし、全身麻酔が必要になるため、体への負担も考慮する必要があると言われています。

4.免疫療法(免疫細胞療法)

免疫療法は、ガン細胞を攻撃する働きを持つ免疫細胞を培養して増やし、それを体に戻す事で、ガン細胞に対する免疫力を強化する治療方法です。

他の治療方法に比べて副作用がほとんど無いというメリットがありますが、目に見えるほど大きくなったガンが消滅する程の効果は期待できないと言われています。

そのため、他の治療方法との組み合わせや、治療後の再発防止を目的に用いられる事が多い傾向にあります。

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猫のガン(悪性腫瘍)について



猫のガン(悪性腫瘍)

ガンは、悪性腫瘍と呼ばれる場合もあり、無秩序に増殖を繰り返しながら、周囲の正常な組織にも浸潤しながら広がる事もある、異常な細胞群(腫瘍細胞群)の事です。

正常な細胞は、組織の状態に応じて増殖を行ったり、増殖を停止したりという仕組みがコントロールされていますが、ガンはそのような細胞分裂をコントロールする仕組みを失い、自律的に栄養分を奪いながら増殖を続け、大きくなりすぎる事で、やがては猫の命をも奪う可能性を持つようになります。

血液やリンパの流れに乗って、他の臓器や器官にも移動したり、リンパの流れの集まるリンパ節に留まったり、骨などの血液の流れが豊富な場所などで増殖を行う場合もあります。

このように、ガンが最初に発生した場所から、他の場所へも移動し、増殖を行う事は、転移と呼ばれています。

ガンの転移や拡大が進むと、健康な細胞が必要とする栄養分が奪われたり、正常な組織や器官を圧迫して機能不全を招いたり、全身に転移する事で、そのような悪影響が各所へと広がり、多数の臓器を機能不全に陥れる事になります。

良性腫瘍は、周囲の組織への浸潤や転移を起こさず、栄養血管の不足などが生じると、それ以上の増殖が起こらないという違いがありますが、ガンの発生には段階があり、良性腫瘍と悪性腫瘍のはっきりとした境界線は、必ずしも明らかにはなっていません。

猫のガンの種類

猫のガンは、病理学の上では癌腫(がんしゅ)と肉腫(にくしゅ)に区分されています。

皮膚、消化器、泌尿器、生殖器などの上皮組織に発生するガンを癌腫と言い、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管などの結合組織に発生するガンを肉腫と言います。

ガンと呼ばれる危険性の高い悪性腫瘍や、命に関わる恐れの少ない良性腫瘍は、いずれも高齢猫になるほど、発生しやすくなると言われています。

猫のガンの原因

猫のガンは、紫外線や放射線などの電磁波、細菌やウイルス、体内の活性酸素やホルモン、化学物質、ワクチン、遺伝など、様々な事が原因になりうると言われています。

これらの影響から、正常な細胞が攻撃を受け、遺伝子が傷付いてしまった際に、遺伝子の修復が正常に行えなかったり、修復する仕組み自体が傷ついてしまうと、ガン遺伝子(ガン細胞)が発生する事になります。

また、加齢による体力の低下や、ストレスの影響から、免疫力が衰え、ガン細胞を攻撃、排除する働きが弱まってくると、ガンが増殖、拡大しやすくなります。

白猫は、紫外線に弱い場合があり、日光にあたる事で皮膚炎や白内障が誘発されたり、紫外線過敏症(日光アレルギー)が起こりやすいなど、他の猫に比べるとハンディが見られる場合があると言われています。

そして、皮膚炎がひどくなる事で、扁平上皮ガンと呼ばれる皮膚ガンに進展する事もあるとされています。

猫白血病ウイルス(FeLV)や猫エイズウイルス(FIV)、また、猫白血病ウイルス(FeLV)の変異種である猫肉腫ウイルス(FeSV)の感染は、ガンの発症率を高めると言われています。

猫における結合組織の肉腫の有病率が、人間の6倍近くも高い理由には、猫白血病ウイルス(FeLV)が深く関わっていると考えられています。

これは、直接的にガン細胞を形成するのではなく、間接的に免疫力を破壊してしまう事で、ガン細胞の増殖を誘発してしまうメカニズムによるものです。

乳ガン、前立腺ガン、肛門周囲腺ガンの発生は、体内のホルモンバランスが深く関与していると言われています。

殺虫剤や芳香剤などに含まれる化学物質には、発ガン性を有している可能性があると言われており、タバコの受動喫煙によって、煙の成分が猫の被毛に付着した場合にも、猫がその成分を舐め取ってしまう事で、扁平上皮ガンの発症率が高まる事が分かっています。

アスベストなどの空気中の粉塵も、人間同様に、猫にとっても危険因子である可能性が高いと考えられています。

また、ワクチン注射をした部位には、ワクチン接種部位肉腫と呼ばれる悪性腫瘍が発生する場合があります。

これは、ワクチンに対する炎症性反応が、腫瘍化につながるものと推定されており、発症率は0.01%(1万分の1)と言われています。

ガンになりやすい体質は遺伝する事も知られていますが、あくまでも全体の5%程度と言われており、その多くは食事、生活環境、ストレスといった他の影響の方が大きいと言われています。

猫のガンの症状

猫がガンになると、共通して見られる症状として、体重減少、食欲不振、リンパ節の腫れ、貧血、微熱、しこりなどが見られるようになります。

また、運動したり、体を触られるのを嫌がるようになる事もあります。

皮膚にできる皮膚ガン(扁平上皮ガンや肥満細胞腫)は、皮膚炎のような脱毛、かさぶた、ただれ、すり傷のような炎症、しこりなどが現れ、ガンが進行してくると、腫れや潰瘍がひどくなり、出血や化膿などが見られるようになります。

口腔内にガンが現れると、舌や歯茎にしこり、ただれ、潰瘍、出血などが生じ、ご飯や水を飲み込みにくくしていたり、口を閉じられなくなったり、よだれをよく垂らすようになる事があります。

乳腺にできる乳腺ガン(乳ガン)は、避妊手術をしていないメスの猫に発生する事が多いと言われており、乳頭の付近に硬めのしこりが現れるようになります。

乳頭やその周囲が赤く腫れたり、黄色の体液などの不正分泌物がにじみ出てくる場合もあります。

乳腺腫瘍は進行がとても早いガンと言われており、最初は数ミリ程度の小さな病変でも、不規則に拡大していき、やがて潰瘍や出血を伴う場合があります。

また、肺への転移なども早いため、迅速な対処が必要と言われています。

白血球の一種であるリンパ球がガンに侵されるリンパ腫には、胸腔の胸腺や縦隔リンパ節に腫瘤ができ、胸水が溜まる事によって呼吸困難やチアノーゼが生じるもの(縦隔型リンパ腫)、腸管や腸間膜のリンパ節に腫瘤ができ、嘔吐や下痢が生じるもの(消化管型リンパ腫)、脳や脊髄といった中枢神経系に腫瘤ができ、麻痺やてんかん発作が生じるもの(中枢神経型リンパ腫)などがあります。

リンパ腫も、乳腺ガンと同様に、進行がとても早いガンと言われており、発症から、わずか1~2ヶ月の間で命を落としてしまう事もあると言われています。

猫のガンは、乳腺ガンとリンパ腫が特に多く見られる傾向にあると言われています。

猫のガンの治療

猫のガン治療は、早期に手術を受け、腫瘍を取りきる事ができた場合であっても、再発や転移が起こる場合があると言われています。

また、抗ガン剤が最も効くとされているリンパ腫においても、猫の体内からガン細胞を完全に消し去る事が難しい場合があり、再発してしまう事も少なくないと言われています。

そのような事から、現在の獣医療においては、ガンの進行を安定的に抑え、期待通りの効果を得る事が難しい場合もあるという理解の上で、その後のコミュニケーションやスキンシップの時間を過ごす必要があると言われています。

また、ガンの制圧に向けて、手術による臓器の切除や、厳しい抗ガン剤治療でダメージを受けた猫が、本来の寿命に到達する事ができない場合もあると言われています。

そのため、治療のリスク、体への負担、その他のメリット、デメリットなどをじっくり相談の上で、ガン細胞の栄養源である糖質を制限する事、高タンパクの栄養分をしっかり与え、免疫力を高める事などの取り組みも重要と言われています。

ガンを発症した猫にとっては、ストレスも大きな悪化因子と言われており、ゆっくりと静かに体を休められる場所を用意してあげたり、猫の体調に合わせて、適度な距離感を保ちながら接する事も大切になります。

大切な家族である愛猫のガン宣告は、大きなショックですが、自分を責めてばかりいたり、落ち込んでばかりいて、過去を悔やむよりも、強い気持ちを心に持ち、前を向いて、できる事をしてあげる事が大切と言えます。

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