あなどってはいけない、猫の毛球症(ヘアボール)



猫の毛づくろい

猫は暇さえあれば、グルーミング(セルフグルーミング)と呼ばれる毛づくろいを行う習性があり、体中を舐め回したり、手で顔を洗ったりなど、自分の被毛のお手入れを欠かさずに行っています。

猫のグルーミングは、起きている間の約25%(平均3.6時間)もの間、行っているとも言われており、猫は毎日かなりの時間をかけて、入念にグルーミングを行う傾向にあります。

猫はもともと、自然界で狩りをしながら生活していた狩猟動物ですので、獲物に見つからないように、何かの物陰に潜む事を好み、また、自分の体臭が獲物に悟られないように、体臭を抑えようとして、頻繁にグルーミングを行う傾向にあります。

グルーミングには、皮膚や被毛を清潔に保つといった、体の掃除や衛生の目的があるの他にも、不安や緊張などを和らげる役割もあると言われており、自分の体臭だけに限らず、室内または寝床の異臭を強く感じたために、グルーミングの頻度が多くなったり、時には騒音や環境変化などの精神的なストレスから、グルーミングを過剰に繰り返す場合もあると言われています。

また、グルーミングには、飼い主や猫同士におけるコミュニケーション(スキンシップ)の意味もあると言われています。

猫の舌

猫の舌の上には、糸状乳頭(しじょうにゅうとう)と呼ばれる小さな突起が無数に存在しています。

この舌の上にある無数の突起は、獲物の骨に付いた肉をそぎ落としたり、水を飲む時に引っ掛けるようにしてすくったり、被毛の汚れをブラシですくようにして取る役割などがあります。

そのため、人や犬の舌に比べると、とてもザラザラしており、猫の舌で舐められると、まるでヤスリで擦られているかのように、場所によっては痛く感じる事もあるくらいです。

このような猫の舌には、グルーミングの際に抜け落ちた被毛がとても付きやすいため、そのまま飲み込んでしまう事で、胃や腸に被毛が固まりとなって溜まりやすくなります。

猫の毛球症

猫がグルーミングを行ったために、舌で被毛をからめ取り、そのまま飲み込んでしまう事はよくある事ですが、猫草を食べる事で、胃の中に溜まった毛玉を吐き出したり、便とともに体外へ排出する事ができていれば、特に異常が生じる心配はありません。

しかし、胃腸が弱っており、胃や腸の蠕動(ぜんどう)運動が起こりにくくなっていると、上手に毛玉を吐き出せなかったり、便とともに体外へ排出できなくなるため、毛玉が胃や腸に溜まったままとなり、何度も吐こうとする仕草を繰り返すようになったり、食欲不振を招いて体重が減少してくる場合があります。

ひどい場合には、ご飯が全く食べられなくなり、衰弱してしまったり、腸閉塞といった重篤な病気を引き起こす危険性もあります。

このように、胃腸に毛玉が固まりとなって残る病気は、毛球症(ヘアボール)と呼ばれています。

猫の毛球症の原因

猫の毛球症は、猫が皮膚病を抱えている場合には、体を舐める頻度が多くなり、また、爪で引っ掻いたりして毛が抜け落ちる事が多くなるため、毛球症を発症するリスクが高くなります。

加齢、体調不良、内臓機能の低下などから、吐く力が弱くなっていたり、便通が悪くなっている事が原因になる場合もあります。

定期的にブラッシングをしていない場合にも、抜け落ちる被毛の量が多くなりますので、毛球症を発症しやすくなります。

また、騒音、引越し、異臭、知らない人や動物などの影響から、精神的なストレスを感じ、頻繁にグルーミングを行うようになり、毛球症にかかりやすくなる場合もあります。

いつも留守番ばかりで、飼い主と遊ぶ頻度も少なく、運動不足の傾向にある場合には、胃腸の働きが低下したり、暇を持て余して、グルーミングを行う頻度が多くなるため、毛球症にかかりやすくなると言われています。

毛球症は、被毛の長さに関わらず、どの猫の品種も発症する可能性がありますが、長毛種の猫や、換毛期のある猫は、抜け落ちる被毛の量が多くなるため、毛球症になりやすいと言われています。

一度も吐いた事が無いにも関わらず、毛球症を発症しないケースもあり、また時には、頻繁な毛玉の吐き出しは、食物アレルギーや炎症性腸疾患など、他の病気が潜んでいるケースもあります。

猫の毛球症の症状

猫が毛球症になると、ご飯を何日も食べなくなったり、何度も吐こうとする仕草を見せたり、排便を行わなくなるといった症状が見られるようになります。

猫はもともと食が細く、保守的である事や、胃酸過多によって、吐き気や嘔吐が起こる場合もあり、また、トイレが不潔な場合には我慢する事もあるため、普段の仕草や様子などから、毛球症である事を判断する事は、非常に難しいと言われています。

動物病気でも、血液検査や尿検査などの詳しい健康チェックを受けても、異常を発見する事ができず、また、レントゲン撮影をおこなっても、胃や腸に溜まった毛玉が写らない場合もあり、体調不良の原因が発見できない事もあると言われています。

そのような場合には、毛球症である可能性を疑う必要があると言われています。

猫の毛球症の治療

猫の毛球症の治療には、毛球除去剤を猫の口元に塗り、口元を舐めさせる事で、胃や腸に溜まった毛玉を便とともに排泄させやすくする処置が行われます。

その後、排泄された便に多くの被毛が含まれており、胃腸がきれいに掃除できれば、自然に食欲は回復していきます。

毛球除去剤でも効果が見られず、腸閉塞などの重篤な病気を引き起こす危険性がある場合には、胃や腸を切開する開腹手術を行い、毛玉を摘出する事が必要になります。

猫の毛球症の予防

猫の毛球症を予防するには、定期的にブラッシングを行い、抜け毛を少しでも多く取り除いてあげる事が大切になります。

特に、長毛種の猫や、換毛期のある猫は、しっかり時間をかけてブラッシングを行う必要があります。

換毛期のある猫は、冬毛が抜け落ちる春先は、抜け落ちる被毛の量が多くなりますので、入念にブラッシングを行う必要があります。

そして、退屈な事からグルーミングの頻度が多くなったり、運動不足によって胃腸の働きが低下しないように、愛猫とのスキンシップや遊びの時間もしっかり取るようにする事も大切です。

適度な運動は、心身のリフレッシュやストレス発散にもつながります。

また、環境面からストレスを抱えさせないために、室内のにおいにも注意して空気清浄機を使用したり、静かに体を休められる、薄暗く閉鎖的で狭い寝床を用意してあげる事も大切です。

おしゃれなデザインなどの見た目にこだわるよりは、ダンボール箱にタオルを敷くだけの簡易的なものでも、複数箇所に用意してあげる方が、猫にとっては安心できると言われています。

猫は大変きれい好きで、トイレが汚れていたり、排泄物のにおいが強く残っていると、嫌がって排泄する事を我慢してしまう場合がありますので、猫のトイレは普段から清潔に保っておく事も重要です。

猫草を用意したり、食物繊維が豊富なヘアボール対策用のキャットフードを与える事も、毛玉の自然は排出を促す効果が期待できます。

毛球除去剤と同じような働きのあるオリーブオイルまたは無塩バターを、定期的に大さじスプーン1杯程度与えて、便通を良くする事も有効と言われています。

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猫の嘔吐の原因 - 健康的な猫の嘔吐と病的な猫の嘔吐



生理的にも多く見られる猫の嘔吐

猫は、体に異常が無い場合でも、生理的に吐く事がよくあり、嘔吐をする事の多い生き物と言われています。

猫は今でも完全な肉食動物ですので、草食動物のように臼歯(奥歯)が平らにはなっていないため、食べた物を飲み込める大きさにするためだけに咀嚼をしており、それを丸呑みして胃の中へと送り込んでいます。

その分、草食動物に比べると強力な消化液を持っているため、丸呑みした食べ物でも、問題なく消化吸収する事ができるようになっています。

また、人間に比べると嘔吐反射が弱いため、それによって嘔吐が起こりやすくなる原因にもなっています。

嘔吐反射は、口腔内の喉元付近に異物が接した事を感じた際に、それを吐き出そうとする生体の自然な反応です。

人間では、歯ブラシが舌の上に接した時や、薬の錠剤を飲み込もうとした時などでも、容易に起こりやすくなっており、異物を飲み込む前に吐き出す作用がとても強いですが、猫はこの嘔吐反射が肉食動物の特性上、弱くなっているため、水が無くても大きな固まりのご飯を難なく飲み込める事ができる分、食べ過ぎによる消化不良、毛玉やゴミなどの異物の蓄積、遊び道具の誤食などから、嘔吐が起こりやすい傾向にあります。

健康的な猫の嘔吐

猫の嘔吐には、自然な生理作用からきているものもあり、健康上において特に問題のないケースもいくつか存在しています。

このような嘔吐は、猫が吐いた後も辛い様子を見せる事もなく、ケロっとしていたり、普通にご飯を食べる事も多く、それほど心配する必要は無いと言われています。

そのため、猫の嘔吐によって床やカーペットが汚れてしまう事にはなりますが、むやみに邪魔はしないように注意しながらそっと見守り、自然な生理作用で吐かせるようにして、吐しゃ物(嘔吐物)の掃除は、猫が吐いた後に行うように配慮する事が大切になります。

消化不良、胃腸疲労によるご飯の吐き戻し

吐き戻しは、急にガツガツと勢い良く食べてしまった場合や、短時間のうちにフードの分量を多く摂取した場合などに起こるもので、胃の中に急に多くの食べ物が送り込まれ、胃に大きな負担がかかった際に、消化不良を起こしてしまう場合の嘔吐です。

このような状態は、人間の場合では早食いをする人、ドカ食いをする人などに見られますが、人間は食べ物をしっかり咀嚼してから飲み込むため、胃もたれ、胸やけ、腹痛といった不快感だけが生じる事が多いですが、猫の場合には、丸呑みした食べ物で胃の容量がいっぱいになると、嘔吐が起こりやすくなります。

そして、猫は再び吐き出したものを食べてしまう事もありますが、そのような吐き戻しを行う事で、自然に胃腸の負担の軽減を図っているもので、それほど心配する必要は無いと言われています。

草食動物は、消化吸収しにくい食物繊維ばかりを食べていますので、このような吐き戻しを普段から日常的に口腔内で行っていると言われています。

グルーミングで溜まった被毛、異物の吐き出し

猫はもともと小動物などの獲物を待ち伏せして、それを捕らえて生活していた生き物ですので、高い所に登ったり、箱の中などに隠れて潜む事を好む性質があり、また、獲物に自分のニオイを悟られないように、自分の体臭を抑えようとして、暇さえあればグルーミングを行い、清潔に保とうとする性質があります。

そのため、猫は他の動物に比べて体臭が少ないと言われています。

そのように、猫は頻繁にグルーミングを行っている事から、ザラザラした舌で抜け毛をひっかけてしまい、繊維クズやホコリなどの汚れと一緒に、胃の中へと飲み込んでしまう事も多く、それがある程度溜まってくると、自然に嘔吐が起こり、吐き出す事があります。

このような嘔吐は毛球症(ヘアボール)と言い、猫の正常な排出作用と言われています。

抜け毛の多い換毛期、ブラッシング不足、ストレスの多い猫は、毛球症になりやすいと言われています。

胃もたれ、むかつき、膨満感などを解消するために、猫草を食べる事で意図的に嘔吐を促して、すっきりしようとする場合もあります。

胃酸過多による吐き気、嘔吐

人間も、食べ過ぎによって胃腸の調子が弱ってくると、胃もたれ、胸やけ、むかつき、腹痛などが起こる原因になりますが、猫も体調不良や加齢などの影響から、同じようにお腹の調子を悪くする場合があります。

そのような状態は、胃の働きが低下しており、胃の中に内容物が長い間留まるようになるために、胃酸が多く分泌するようになる事が原因だと言われています。

猫がこのような状態になると、猫は人間に比べて嘔吐しやすいために、朝起きた直後や空腹時に胃酸過多が起こった際には、胃酸が逆流してしまい、透明または、白っぽい泡状の胃液だけを吐き出したり、黄色っぽい胆汁だけを吐き出す事があります。

また、このような嘔吐は、朝起きた直後や空腹時の他にも、くしゃみや咳の拍子に吐いてしまう事もあります。

病的な猫の嘔吐

猫の嘔吐の中には、病気の恐れのあるものや、体への負担が大きいものなど、危険な嘔吐のタイプも存在しています。

そのように、いつもと違う吐き方や、元気の無い様子が見られた場合には、何らかの体のトラブルを疑って、病院で診察を受ける必要があります。

吐しゃ物に血が混じっている

猫の吐しゃ物(嘔吐物)に赤い色や茶褐色の色が混じっている場合には、胃炎や腸炎によって、胃や腸から出血が起こっており、その血液が吐しゃ物に混じっている事が考えられます。

また、回虫(寄生虫)に感染しているために、腸壁が傷ついていたり、吸血されているために、出血が起きている可能性も考えられます。

このような出血が見られた場合には、何らかの胃腸に障害が起こっている可能性が高いため、早いうちに病院で詳しい検査を受ける必要があります。

時には、猫の吐しゃ物の中に、細長い回虫が混じって出てくる場合もあります。


連続的な吐き気(何度も吐こうとする)

猫が1日に何度も吐こうとしているにも関わらず、口からは何も吐き出さず、舌を出したり、よだれだけを垂らしている場合には、誤食した異物が胃や腸に詰まっている可能性が考えられます。

また、グルーミングによって飲み込んだ被毛の量が多すぎるために、胃や腸で詰まってしまい、なかなか出てこなくなっている事も考えられます。

異物が大きい場合や、被毛が大量に溜まっている場合には、胃腸壁の損傷や腸閉塞など、命に関わる状態へと発展する場合もあります。

また、肝臓、腎臓、膵臓などの内臓に重篤な障害が生じている可能性も考えられますので、頻繁な吐き気が治まらない場合には、早いうちに病院へ連れて行き、診察を受ける必要があります。

連続的な嘔吐(何度も吐く)

猫は生理的に嘔吐をする事は、決して珍しい事ではありませんが、1日に何度も嘔吐を繰り返している場合には、脱水症状が起こるため、病院で詳しい検査や治療を受ける必要があります。

激しい嘔吐は、毒性のある草、人間の食べ物、医薬品など、何らかの誤食によって食中毒を起こしていたり、細菌やウイルスによる感染症、膵炎や腎不全といった重い病気の可能性も考えられます。

また、異物や被毛が胃や腸に溜まったままで、それが吐いても出てこないために、吐き気や嘔吐が治まらない場合もあります。

嘔吐を繰り返している場合には、猫の体力も消耗してきますが、ぐったりしている場合や、いつになく大人しい場合には、重篤な内臓疾患や腫瘍など、緊急性の高い病気を患っている可能性も考えられますので、早めに病院に連れていき、詳しい検査を受ける必要があります。

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猫の便秘の原因、対処方法、治し方、治療方法などの豆知識



猫の便秘

便秘とは、医学的な観点では明確な定義がないため、便秘がちである、といったあいまいな表現をされる場合もありますが、一般的には、便の排泄回数が減る事、便の排泄量が減る事、便の排泄痛が生じる事、便の排泄が自力では困難になる事などを指します。

何らかの病気が背景にある場合や、特に病理的な問題はなく、慢性的な体質となっている場合もあります。

猫の便秘の原因

猫の便秘は、水分の不足、被毛の飲み込み(毛球症)、異物の誤飲などから、便が硬くなりすぎている事が原因となっている場合があります。

トイレの汚れやニオイを気にして、排便を我慢したり、他の同居猫のニオイに警戒して、排便を我慢するようになり、便秘になっている場合もあります。

老齢化にともなう筋力の低下、蠕動(ぜんどう)運動の低下、腸内環境の悪化なども、便秘が起こりやすくなる原因の一つです。

先天的な遺伝の影響から、骨盤周辺の神経反射の異常があるために、便秘が生じている場合もあります。

また、肛門や直腸に発生した膿瘍や傷などの痛みによって、排便する事を嫌がって我慢しているうちに、便が硬くなり、便を出しにくくなっていたり、さらに痛みがひどくなっている場合もあります。

大腸(結腸)の閉塞によって便秘が起こる事もあります。

他にも、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、利尿剤など、何らかの薬剤の服用により、便秘が起こりやすくなる場合もあります。

このような便秘は、医原性便秘と呼ばれています。

猫の便秘の対策

・食事

猫の便秘には、食物繊維や乳酸菌が多く配合された便秘対策用のキャットフードに変更する事で、改善が見られる場合があります。

また、繊維質が豊富な茹でたサツマイモをおやつの変わりに与えたり、乳酸菌の代名詞でもある無糖ヨーグルトをフードに加えて与える事で、腸内環境が改善して、便秘が治まる場合もあります。

ヨーグルトは、牛乳の発酵過程で、猫が消化しにくい乳糖(ラクトース)と呼ばれる酵素も分解されていますので、胃腸の弱い猫も下痢を起こしにくいと言われています。

また、腸内環境の改善は、免疫力の向上にも効果的です。

被毛の飲み込みが影響している場合には、毛球症対策用のキャットフードに変更する事が有効な場合があります。

必須脂肪酸とオレイン酸を含むオリーブオイルは、猫の腸の働きを活発にして、蠕動(ぜんどう)運動を促すため、小さじスプーン1杯程度の少量は、猫の便秘対策にも有効と言われています。

被毛の飲み込みを防ぐには、こまめにブラッシングをしてあげる事も大切です。

また、繊維質や水分量の多いウェットフードに切り替える事で、改善が見られる場合もあります。

・浣腸

浣腸は、猫の肛門から薬液を直接注入する事で、便を柔らかくしたり、腸壁を刺激する事によって、排便を促す医療行為です。

人間用の浣腸薬を使用したり、飼い主の自己判断による浣腸は、猫には大変危険な場合がありますので、医師の指示に従い、正しく行う必要があります。

・運動

猫は高齢になると、じっとしている事が多くなり、運動量も低下するため、お腹周りの筋肉を維持するためにも、キャットタワーを置いて昇り降りさせるようにしたり、遊びやスキンシップの時間を意識して多く取るように努める事も、体力や筋力の維持とともに、便秘改善に有効な場合があります。

たまにはお腹周りを優しくマッサージしてあげる事も、内臓や筋肉の血行を促進したり、適度な刺激にもなりますので、運動不測の老猫には有効な場合があります。

このような猫との遊びやマッサージは、猫が嫌がってストレスにならないように、猫の様子を見ながら行う必要があります。

・トイレ

猫はとにかくキレイ好きで、普段から暇さえあればグルーミングをしたり、毛づくろいをして、自分の体を清潔に保とうとしています。

そのため、トイレの汚れやニオイにも非常に敏感で、汚れやニオイが気になると、排便を我慢する事がありますので、猫のトイレはこまめに掃除するようにして、いつも清潔な状態に保っておく事も重要です。

また、来客などで、室内に自分の知らないニオイがしている場合にも、警戒して排便を我慢する事がありますので、ニオイの敏感な猫には、特に十分な配慮が必要になります。

猫の便秘の治療

猫の排便は、通常であれば1日1~2回が一般的な平均回数と言われています。

猫はもともと便秘になりやすく、体調やストレスなどの影響から、便秘傾向になると1~2日は排便しない場合もありますが、2~3日経っても排便をしていなかったり、何度もトイレに行っては排便のポーズを取るものの、便が出てこない場合には、何らかの病気を疑って、動物病院で詳しい検査を受ける必要があります。

病院では、下剤や整腸剤などの薬物の投与や、浣腸などの処置が行われたり、摘便による人為的(強制的)な排便などが行われます。

脱水が見られる場合には、点滴や皮下注射による輸液治療が行われる場合もあります。

重度の便秘(重症便秘)の場合には、腸管内の異物の有無、腸管や肛門の狭窄や圧迫(腸閉塞)、腸管内外の腫瘍、腸管の膨張(巨大結腸症)などの病気を疑い、レントゲン検査やエコー検査などの詳しい検査が行われる場合もあります。

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猫の下痢の原因と治療について



猫の下痢は、体調不良や胃腸の調子が悪い時など、一時的な消化不良によって起きている場合には、食事を1食だけ抜いて胃腸を休める事で、自然に治る場合があります。

しかし、何日も下痢が長く続いている場合や、便に混じって血や粘液が一緒に出てきている場合には、胃腸に深刻な病変が生じている可能性があります。

猫の下痢

下痢は、通常の便に比べると水分量の多い便が排泄される事です。

通常に比べてやや柔らかい軟便(なんべん)、形にはならずにゲル状になっている泥状便(でいじょうべん)、まるで水のような水様便(すいようべん)など、その便の状態に応じて呼ばれる場合もあります。

主に消化管の異常によって起こり、腹痛、疲労(体力の消耗)がともなう場合もあります。

消化管の異常は、小腸に異常があっても、大腸に異常があっても、下痢が起こる原因になります。

1~2日間程の一時的な下痢は、急性の下痢とされ、1~2週間程続く下痢は、慢性の下痢とされています。

急性の下痢の原因

急性の下痢は、食べ過ぎ、早食い、丸飲み、食べ慣れていない食材の摂取、食物の腐敗、冷水の飲水、ストレス、体調不良などの日常的な問題が多く、ほとんどの場合は自然治癒します。

猫は牛乳を好んで飲む事も多いですが、牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)を分解する消化酵素(ラクターゼ)を、十分には持っていないため、与えすぎると下痢を起こす場合があります。

また、乳糖の調整のされた猫用ミルクであっても、胃腸が弱い子猫や、消化機能が弱っている老猫は、ミルクの温度が低すぎると、おなかを壊してしまい、下痢を起こしてしまう事があります。

慢性の下痢の原因

慢性の下痢は、細菌、ウイルス、原虫などの感染症、異物の誤飲・誤食による消化不良、薬剤の過剰摂取や副作用、食物アレルギー(ご飯が合っていない)、腎臓病や肝臓病などの内臓疾患、ストレスなど、何らかの問題が潜んでいる可能性が高いと言えます。

慢性の下痢は、腸内の善玉菌が減少してくるため、腸内で悪玉菌が繁殖しやすくなり、その刺激によってますます下痢が起こりやすくなります。

また、腸の働きも低下してくるため、栄養分や水分を吸収する働きが低下してくるようになり、食欲低下、栄養不良、体力の消耗、脱水を引き起こすようになります。

猫の血便(下血)

慢性の下痢などから、腸粘膜に炎症が起こると、びらん(ただれ)や潰瘍が生じる場合があり、血便が出るようになる事もあります。

また、便には血液の他にも、白い粘液が混じっている場合もあります。

その原因は、細菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫感染症、食物アレルギー、悪性腫瘍、良性ポリープ、膵臓の病気、中毒症状など様々です。

血便は、大腸炎や大腸ポリープなど、肛門に近い場所で出血が起こるほど、赤い色が混じり、胃潰瘍、十二指潰瘍、小腸炎など、肛門から遠い場所で出血が起こるほど、黒い色が混じります。

便全体が真っ赤な血で染まっていたり、まるでトマトジュースのような真っ赤な水様便が出た場合には、大腸に大きなびらんや潰瘍が生じている可能性が高く、深刻な状態と言えます。

このようなひどい血便が続いている場合には、一刻も早く、血液、栄養分、水分の補給を行う必要があります。

猫の下痢の治療

猫の下痢の治療にあたっては、その下痢が急性のものか、慢性のものかの判断が必要になります。

また、急性の下痢であっても、深刻な病変が現れた直後という場合もありますので、猫がぐったりしている、食欲がまったくない、発熱や嘔吐も見られるなど、猫の全身症状などからも勘案して、治療が行われます。

また、便の検査からも、異常を発見する事ができ、その病変に対する薬剤の投与によって、スムーズに快方へと向かう事もあります。

獣医師が正しく診断した上で治療を行うには、そのような猫に見られる症状の他にも、便の状態や、排便の回数、下痢の頻度、食事内容、外出の有無、健康状態や病歴など、様々な情報が必要になります。

それらの詳細な情報が多いほど、正確な診断が行いやすくなり、どこに異常が生じているかや、何が原因なのかの判断がつきやすくなります。

猫の全身症状が異常と判断された場合には、血液検査、尿検査、レントゲン検査、内視鏡検査、組織診(生検)なども行われる場合があります。

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